LCH と ΔE00 とは何か(What)
色空間の基礎 で触れた CIE Lab(L*a*b*)は、明度と対立軸(a* · b*)で色を表します。実務では、同じ情報を 円柱座標 に読み替えた LCH(または CIELCh)もよく使います。
| 記号 | 意味(ざっくり) |
|---|---|
| L* | 明度(Lab と同じ) |
| C* | 彩度(chroma · a*b* 平面上の原点からの距離) |
| h | 色相角(a*b* 平面上の角度) |
ΔE(デルタ E)は「2色の差」を1つの数値にした指標です。古典的な ΔE76(Lab 空間のユークリッド距離)に対し、実務では ΔE00(CIEDE2000) がよく使われます。人間の知覚に寄せて重み付けした、より新しい色差式です。
なぜ実務で知るか(Why)
- 「同じ HEX 差」でも、明るいグレー同士と鮮やかな赤同士では 見た目の差が違う ことがあります。
- ブランド色の許容差・印刷検品・UI のコントラスト検討では、「何をもって近い色とするか」を 数値で共有 する必要があります。
- 検定学習でも、色見本の「わずかな差」を言葉にするとき、明度・彩度・色相のどれが動いたか を分離して考える練習になります(LCH の読み方が役立ちます)。
たとえ: ペンキの「少し赤みを足す」は Lab の a*、あるいは LCH の h / C* の変化として記録できます。感覚だけの指示より再現しやすくなります。
どう使うか(How)
- Lab の a*b* を 極座標 に読む → C*(鮮やかさ)と h(色みの方向)。
- 2色を比べるとき、「HEX が違う」だけで終わらず、明度差か・彩度差か・色相差か を意識する。
- 許容差の会話では「ΔE00 で〇以内」など、指標名を明示 する(ΔE76 と混ぜない)。
- 画面だけでの判断は近似です。コントラストチェック の計算値と同様、最終確認は対象ディスプレイ/印刷 で行います。
Lab の注意(入口のヘッジ)
Lab は「知覚的にかなり均一」に設計されていますが、完全に均一ではありません。照明条件(例: D65)や観察条件を揃えないと、同じ数値でも見え方がずれます。深い測色モデル(CIE XYZ の導出など)は本レッスンの範囲外です。
ΔE00 の目安(参考・厳密ではない)
| おおまかな印象 | 目安(参考) |
|---|---|
| ほぼ区別しにくい | ごく小さい ΔE00 |
| 注意すれば分かる差 | 小さめ〜中程度 |
| はっきり違う | 大きい値 |
閾値は用途・業界・媒体で異なります。暗記より 「指標と条件を揃えて話す」 ことが先です。
ミニクイズ
LCH の C* が主に表すのはどれですか?
ΔE00(CIEDE2000)について最も適切な説明はどれですか?